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「ここが駄目なら全て駄目!パン、奥行を操る!!」-ミックス、マスタリングのテクニック(後編) process-open11

2016/02/13

デモ音源から完成版まで。楽曲の制作過程を公開する記事としては第10弾。
今回は、これから公開の新曲「井ノ頭線」を題材に、前回よりさらに深く全体のミックスを中心にパートごとのミックスについて掘り下げていこうと思います。

ッションの整理

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【上原翔】
では、choroさんから受け取ったデータでどのようにミックスしていくか手順を踏まえて説明していこうと思います。
(前回の記事はこちら)

まず、初めにする事はセッションの整理です。
ミックスする画面は出来るだけ整理して分かり易くするのが基本です。ぐちゃぐちゃだとミスをする確率も増えるので、ちゃんと整理してミックスしていきます。

紹介する画面はミックス後のものになります。

ラムトラックの並べ方

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(クリックして画像を大きく表示)

僕のドラムトラックの並べ方はこんな感じです。

キック、スネアはモノラルのグループにまとめて、タム類はステレオのグループ、そこから全てのパーツをステレオのグループにまとめてます。

打ち込みのドラムだとグループにまとめる必要もないんですが、今回のはあくまで生ドラムのシュミレートの打ち込みなので、上記のようにまとめてます。

ース、ギター、シンセ類などの並べ方

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(クリックして画像を大きく表示)

次はベース、ギター、シンセ類ですね。
僕はドラムの下にベース、ギター、シンセ、ボーカルの順で並べています。

ギターなどは例えもらったデータのリージョンが1本になっていたとしても、場所や音色毎に分けていきます。ギターなんかは、アルペジオとバッキングでは大きくレベルが違うので、コンプの設定が困難なので分けたりしますね。

ーカルトラックの並べ方

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(クリックして画像を大きく表示)

次はボーカルです。
ボーカルはメイン、ハモ、コーラスの順で並べていきます。

セッションの見た目を綺麗にするというのは、直接音が良くなるという訳でもありませんが、やはり整理されてないとミックスするスピードも遅くなりますし、本来はミックスが終わったらそのセッションデータをクライアントに納品します。その時にセッションがぐちゃぐちゃだと相手も困りますよね。

基本的なところでいうとこんな感じです。

量レベルの調整

このセクションでは、主にレベルの取り方というのを説明していこうと思います。

ミックスというのは全体のバランスを含めて音量レベルを管理していく事でもあります。
実際どのようにレベルが振っていればいいのかという事です。

まず全体の話で言うと、僕の場合は全部の楽器を鳴らした時に、下記の図のように大体平均して-12dBくらいマージンが出るようにしてメーターを振らしているようにしています。

image01

ここを説明すると話が長くなってしまうので、なぜこうするかというのは省略します(笑)

-12dBくらいマージンというのはかなり音量的には小さいですが、ミックス段階ではこれくらいの音量か、もしくはもう少し小さくても良いと思います。

デジタルでは0dBを超えると必ずデータの破損が起きるので、よほどの意図がない限り0dBを超えるような事をしてはならないので、そういった意味でも余裕を持たせてミックスしていきます。

僕の場合はですが、キック単体を鳴らした時に、下記のように大体-18dBくらいメータが振るようにしておけば全部の楽器を鳴らした時に-12dBくらいマージンが取れると思います。

image14

ちなみに僕の場合では、マスタリングで使うプラグインのコンプやリミッター等をマスターフェーダーに入れながらミックスとマスタリングを同時に進行していくスタイルです。

上記のレベルはあくまで、マスターに入力されるレベルの話だと思ってください。

ックスの手順

では、ミックスの手順を説明していこうと思います。

普段は全部の音を鳴らしながらバランスを取ったり音作りをしていくので、それぞれのパートをソロで作っていくというのはしないのですが、今回は分かり易くする為に順々に音を足していく形で説明しようと思います。

ラムのミックス

まず、ドラムは僕の方で音色差し替えをしました。

今回はバラードでテンポが遅めの曲なので、なるべくどっしりしたドラムになるように音色を選びました。

音色を差し替えて音作りをしたドラムはこんな感じです。

ここからどう音が重なっていくのかを順に聞いていこうと思います。

【音のバランスの取り方】

バランスの取り方として基本的な事は、多少の大小あれど、入ってる音が全部聞こえるようにするというのが基本です。入ってる音というのは、何かしら狙いがある訳ですから、それらの音が実際に聞こえないと楽曲での意味合いがなくなってきます。

そしてバランスというのは、前か後かといった感じで、前後に組み立てるのが基本です。前後というのはざっくり言うと、音量が大きい=前、音量が小さい=後、といった感じです。そういった事を前提にして音を組み立てていきます。

にベースを足します

ドラムとベースの関係は曲にもよりますが、基本としては、キックとベースがおおよそ同音量で同低域量になるようにします。キックというのは他の音が入ってくると埋もれがちなんですが、キックというアクセントがしっかり聞こえないと、曲のリズムがぺたっとしがちです。もちろんそういった狙いをする事もありますが。

リズムでの前後の順番としては、

キック=ベース→スネア→ハイハット(ライド)を基本としておくと良いんじゃないかと思います。このパターンだと、結構リズムが安定したものになります。今回のパターンはこれを基本としてます。

その他のパターンの例としては、

スネア→キック=ベース→ハイハット(ライド)にすると、低域が安定しない分、上物のメロディーなんかが目立ってきます。歌や主旋律のメロディーを特別際立たせたい場合なんかではこのやり方をしたりもします。

はトレモロギターを重ねていきます

イントロ部分でのトレモロギターは、間を埋めて全体を分厚くする為に今回だと3連符のディレイを結構深めに掛けてみました。僕はディレイで間を埋めるという事が結構好きなのでこの手法はよく使います。

バランスとしては、次にバッキングギターを重ねるのですが、それよりも少し小さめにしています。前後関係で言うと、スネアより少し奥あたりに配置してます。

はバッキングギターです

バッキングギターの位置としては、キックの少し後ろでスネアと同位置か少し前くらいになるようにバランスを取っています。

トレモロギターも含めて、イントロ部分やサビではテンポ遅めの8分の刻みで弾いているのでこのままのバッキングギターの状態だと少し間延びしている印象だったので、そこを埋める為にトレモロギターに3連符のディレイを掛けています。

して、イントロでのメロディーギター

メロディーを弾くメインのギターはボーカルと同じ位置に配置する事が多いです。ボーカルと同じ位置にして、ボーカルとの切り変わりがスムースになるようにします。

ターを重ねていった次はシンセ類ですね

シンセ類に関してはケースバイケースではあるのですが、ある程度一定の決まり事があって、それに沿って音を作るとスムースです。

ベル等の高域でなっているものに関してはリバーブやディレイを深めに掛けて奥に配置します。パッドやオルガン等の中域などで鳴っているものはあまりリバーブ等を掛けず、ステレオエンハンサーなどのエフェクターを使って左右に広げる場合が多いです。

こういったディストーションギター中心の楽曲ではシンセ類はあくまで補佐の場合が多いので、ギターよりも後ろに配置します。

後にボーカルです

こちらは言うまでもなく、一番前に配置します。もしくはキックと同位置、曲によってはキックのすぐ後ろに配置する事もあります。

今回は分かり易くする為にドラムから順に組み立て方を説明していったのですが、本来のやり方としては、全く逆のパターンで、歌に合わせて音を作っていきます。

基本的に歌モノというのは歌がメインで一番重要な部分です。なので、ドラムから音を作っていくと、一番最後で歌がオケに合わないという事が起こってくるんですね。

なので、ミックスのやり方としては、常に全部の音を出しながら、歌に合わせてバランスや音を作っていくというのが失敗しにくいやり方です。

あと、補足ではありますが、ミックスは音を上下に作っていくものと考えられがちですが、あくまで前後に作っていくものと考えるのが良いと思います。教則本などでもよくある、周波数的に上下に配置して、各音がぶつからないようにEQで削っていく、というやり方ではミックスがペタっとした平面的なものになりがちです。もちろん、そういったやり方もあるのですが、それにこだわり過ぎると失敗しがちですね。

こうやって音を前後に組み立ててミックスという作業を完成させていきます。

ンジニア大募集!!

今回、前回のようにchoroさんとタッグを組んで、楽曲のミックスならびにミックステクニックを公開して頂けるエンジニアを募集しています!

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前回までの記事はこちら
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